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42期 森屋百佳さん (平成21年熊本市成人式成人代表)

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現在筑波大学に在学中の森屋百佳さんです。先日平成21年熊本市成人式がおこなわれた際に、多数の応募者の中から成人代表に選出され記念感想文を読みました。そのときの内容を以下に記します。


記念感想文 成人となる日を迎えて 筑波大学2年 森屋百佳

 8月10日の昼、友達と一緒にいた私のもとに電話がかかってきました。「ももちゃん、もうすぐ生まれた頃ばい!生まれて20年、おめでとう。」そんな少し高揚している母の声を耳にした時初めて、私は自分が20年間生きてきたことを実感しました。


 「20歳って意外と普通だなぁ。」これが私の率直な感想です。「大人は何でも知っていて、成人になったら何でもできる。」そんな幼い頃の「無敵な大人像」と比べると、20歳の私はあまりにも平凡で非力な大学生でしかありません。迷い、落ち込むこともある、その度に友達や家族に助けられる…そんなことの繰り返しです。「大人は完璧。」そんな幻想と現実とのギャップに狐につままれた様な心持なのは、私だけでは無いのではないでしょうか。想像と現実の狭間で葛藤しつつ、今を迎えています。


 大人って何なのでしょうか。成人式を迎えれば大人でしょうか?年金を払えば大人なのでしょうか?そんな問いに対する正解なんて、未熟者の私は持ち合わせていません。しかし私には、自分なりに考える「大人」というものがあります。それは、「何かのために責任を持つことが出来る」ということです。私は今年の夏、熊本市でインターンシップに参加し、多くの人に出会いました。この町を良くしようと働く市役所の方、賑わいの創出に力を尽くす地域の方々、祭りで人と人との繋がりを作り出そうと情熱を燃やす若者、若い人が活動しやすい環境とは何かを熱く語る企業家。彼らの先には常に「町のため」「人のため」という熱い想いがあり、同時に彼らはそのための責任を背負っていました。今まで中学、高校、大学と決められた道を社会に守られながら進み、自分にさえ責任を持っていればよかった私には、こういう姿勢がとても新鮮に感じられました。


 そんな夏の刺激もあり、私は今、大学に通いつつNPO法人のスタッフとして活動しています。学生という身分への甘えを捨て、自分のためではなく人の笑顔のために責任のある仕事をしたい、自分にやり遂げる力があるか試してみたい、そう思ったからです。毎日が忙しく、気持ちに余裕が無くなったり、生活のリズムを崩してしまったり、学業と両立していくのも難しかったりと大変な面もありますが、それでもやり甲斐を感じています。私が大変な思いをした分、笑顔になってくれる人がいるからです。今はまだ、NPOという組織を通して活動していますが、いずれは社会の構成員の一人として役割を持ち、今まで私を育ててくれた家族や仲間のいるこの熊本に恩返しをしていきたい、と私は考えています。


 まるで蛹が蝶になる様に、20歳の誕生日を境に完璧な人間に生まれ変わることは出来ません。まだまだ家族や友人に支えられ、周囲の言葉に励まされることも多いですが、それでも少しずつ、自分の考える大人へと近づいていきたいと思います。成人式は私達にとって、大人としての人生のスタート地点です。これから成人としての意識を忘れることなく努力していきます。


 最後になりましたが、家族を始め、これまで私達を導き守ってくださった方々、ありがとうございました。

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